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そのノイズ、電源のせいかも?ギタリストが知っておくべき、ノイズの原因とは。

  • 2021年7月30日
  • strymon
そのノイズ、電源のせいかも?ギタリストが知っておくべき、ノイズの原因とは。

多くのギタリストにとって、エフェクターは演奏する上で、サウンドの幅を広げてくれる重要な道具です。特に歪み系やワウ、多くの電力を要するデジタルの空間系エフェクターは、色々と組み合わせることで、全く新しい表情のトーンを楽しむことが出来ます。

ただ、複数の異なるエフェクターをつなげればつなげるほど、ノイズの原因にもなってしまうことは悩みの種でもあるでしょう。熱心な方であればすでにご存知かもしれませんが、多くの場合、ノイズは電源ユニットの選び方によっても軽減することが出来ます。逆に言えば、選び方を間違えると、ノイズを増幅させてしまう原因にもなるのです。

そこで今回は、電源が与えるノイズへの影響を、Strymon製品と他社製品を比較しながら検証していきたいと思います。


まずは、ギタリストのbenimaruさんによる、各社の電源ユニットを比較したビデオをご覧ください。電源による音色の違い、ファズの接続、ワウやでデジタルペダルとアナログペダルの混在による問題点などなど、電源を選ぶ上での大事なポイントを紹介してくれています。

ここでもstrymon製の電源がいかに高い性能を誇っているかが証明されています。そこで、ここ最近、新しく発売された他社製品を用いて、サンプリングしたモデルのノイズレベルを実際に測定し、strymon製と比較したので、その結果をレポートします。

次の二つのグラフは、負荷がかかっていない状態(電源供給していない状態)における、2機種のノイズ比較です。赤がstrymon製、青が他社製です。電源としてエフェクターへ供給していない状態のため、少々のノイズレベルが高くても問題にはなりませんが、ここでの差が12dBともなると、無視することができないほどの差と言えます。

では、ここへ負荷をかけると、どうなるでしょうか?

赤がstrymon製、青が他社製

結果は上図で見ての通りで、さらに大きな差が現れました。平均すると、strymon製の方が30dBもノイズレベルが低いことがわかります。100Hzから2kHzにこれほど大きなノイズ要素があると、ゲインが上がる歪み系やプリアンプを繋ぐのは難しいでしょう。


写真左が今回検証した他社製の基盤、右は某中国メーカー製の基盤写真。中身は同じように見えますが、果たして…?

これはテスト比較した電源ユニットの写真です。この製品は、国内でもかなりメジャーなブランドが最近発売したものなのですが、内部の基板には中国製を示すOEMの名前が見られました。出力段はリニア安定化出力で、strymon製のようなオプト絶縁は施されていませんでした…。この状態で、各回路は完全にアイソレートされているのでしょうか?

興味のある方はご自身で導入前に、先述のbenimaruさんがやっていたような検証を試してみてはいかがでしょうか。

また、シンコーミュージックから発売されているTHE EFFECTOR book NO.51の電源特集も大変参考になります。同号にはstrymonの電源チームのインタビューも載っていますので、是非読んでみて下さい。

文・Cozy Hattori