interview:サイモン・フィリップス #4〜#6
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Simon Phillips

サイモン・フィリップス - Simon Phillips -

1957年、イギリス・ロンドン出身の世界的セッションドラマー。
イギリスでの活動期より、ザ・フー、ホワイトスネイク、ジェフ・ベック、ミック・ジャガーなど錚々たるミュージシャンとの活動で不動の地位を築いている。

左手でハイハットやライドを刻むオープン・スタイルから繰り出される幅広いプレイが魅力のドラマーであり、その経歴はジャズからプログレッシブなフュージョン、ポップス、ヘヴィーメタルまで実に多岐にわたる。

1992年、TOTOのドラマーであったジェフ・ポーカロが死去。その年のツアーではジェフの代役を務め、「TAMBU(1995)」より正式メンバーとなる。
TOTOのメンバー自体が、名うてのスタジオ・ミュージシャンの集まりであることもあり、TOTO参加後も数々のスタジオ・ワークや、レコーディング・エンジニア、プロデューサーとしての活動も勢力的に行っている。

 

WEBオフィシャルWEBサイト http://www.simon-phillips.com

WEBTOTO WEBサイト http://www.toto99.com

TOTO:Simon Phillipsサイモン・フィリップス × SHURE Microphones #4

2011年9月のTOTOツアーに続き、12月にもジャズ・ピアニスト上原ひろみさんのツアーで来日したサイモン・フィリップス。TOTOツアー後には、前回のインタビューで紹介したBETA 181とSRH940をスタジオでチェック。今回はそのインプレッションを伺って来ました。

 

前回、BETA 181を紹介しましたが、早速、今回のステージで使っておられますね!
長年愛用してきたKSM137との違いを話して貰えますか?

これまではタムもフロアタムもKSM137だったんだけど、今回のツアーからタムはBETA 181、フロアタムにはKSM137を使っているね。とてもよく似ている2機種だけど、強いて言えばKSM137の方には、400~500Hzあたりの中低域に少し盛り上がりがあると思う。その分、KSM137の方が太い音に聴こえるけど、透明感ではBETA 181の方が素晴らしい。だから、181はタムに向いていると思う。これは多分、BETA 181はカプセルが横向きに付いているサイドアドレス型だから、KSM137に比べて近接効果が少ないからじゃないかな。KSM137の方は、構造的にダイヤフラムの背面にエアースペースがないから、それで少し音色に脚色が生まれるのかもしれないね。



感度に関しても違いがあって、アメリカに帰っているときに自分のスタジオで試したよ。3つのタムにKSM137、BETA 181、そして普段レコーディングで使っているKSM27を立ててレコーディングしてみたんだ。EQは使用せずにゲインだけを合わせた。その結果、BETA181の音が最も大きかった。この比較は非常に面白かった、それぞれの差が聴き比べられたよ。KSM27が最もリッチなサウンドで全帯域が聴き取れる。だからレコーディングに向いているね。KSM137とBETA181は、KSM27と比べると少し音が浅く狭いが、ライブに向いていると思う。

 

ライブでのセッティングには、取り回しの良さも重要ですよね。

もちろん。BETA181はサイドアドレス型だから低くセットできるんだ。これは僕にとって大きなアドバンテージだよ。KSM137は、マイク自体は小さいけれど、XLR端子が本体に埋め込まれているから長さが20cm近くもある。そしてケーブルがそこから伸びる…。普通のシチュエーションなら問題はないが、今回のライブのように他のミュージシャン(HiromiやAnthoney)の顔を見ながらプレイする時には邪魔になるんだ。それにサイドアドレスのマイクはドラムにセットし易い。ドラムキットの前面にセットするのに手軽だし、見た目も良い。そういう意味では、NeumannのKM86はスネアにピッタリだったし、Shureの古いSM56はカプセル部が曲がるからスネアに使いやすいマイクだったね。アメリカにはSM57をSM56のように真ん中で曲げられるように改造している会社もあるくらいだよ。そう言えばSCHOEPSにもそんな機種があったね。

 

BETA181をセットアップしてみて、音の被りはなかった?

それは気が付かなかったよ。僕はマイクのセットする時、むしろ音の被りを利用するんだ。僕はシンバルの位置も高いからね…。多くのエンジニアは音の被りを気にし過ぎるよ。しかし、音の被りも味方につければ、強みになることを多くのエンジニアは理解していない。彼らはフェーダーを1つ上げたら1つの音だけが出てくるようにしたがるね。アコースティック楽器って、そう言う物じゃないんだよ。

 

ロックを演奏する時と、今回の様なアコースティック楽器(ピアノ)とプレイする時では、マイクのセッティングを変えていますか?

マイキングは変えていないよ。さっきの被りの話のようにドラムはスピーカーのキャビネットみたいな物なんだ。スピーカーの真ん前に立って聴けば、スピーカーの音にしか聴こえてこえないけど、距離を離れるとその聴こえ方も変わるだろう!?
ドラムも同じでマイクを遠くにセッティングすると透明感が薄れ音はディープになるよ。
ジャンルの違いで最も大きな要素はPAのチューニング(EQ)だろうね。アコースティックのピアノが加われば、PAのセッティングも変わってくる。今回は音の大きいドラムから6~7m離れた所に、ピアノのトップを開いた状態でAKGのC414が2本セットされている。もちろんお互いに音の被りはあるけど、気にならないだ。エンジニアは音の操り方が解っているから、音の被りを利用してサウンドに少しの奥行きを加えているんだ。

TOTO:Simon Phillipsサイモン・フィリップス × SHURE Microphones #5

2011年9月のTOTOツアーに続き、12月にもジャズ・ピアニスト上原ひろみさんのツアーで来日したサイモン・フィリップス。TOTOツアー後には、前回のインタビューで紹介したBETA 181とSRH940をスタジオでチェック。今回はそのインプレッションを伺って来ました。

 

SRH940に関してはいかがでしたか?

驚いた! 最高だったよ!
実はヘッドホンって1つ1つ音が違うし、何が本当の音か分からない。スピーカーと比較してもそうだね。だから、自分のスタジオでは、とてもフラットでピュアな音が出るB&WのMatrix801(スピーカー)を愛用しているんだ。それをリファレンスにヘッドホンでも確認するんだ。

以前、Shureのヘッドホンは試したことがあったけど納得はできなかったんで、定番スタジオ・ヘッドホンを引き続き使っていたんだ。でもSRH940を使ってみて「これは凄い」と瞬時に思ったね。SRH940の後に900を使うと、900がとても人工的に聴こえてしまうんだ。1つ気が付いたのは、SRH940は少し感度が低いのか900ほど音が大きくない。でもプロ用のヘッドホンアンプで鳴らすと全く問題ない。良いアンプや良いDACに接続して使うと最高だと思うよ。ヘッドホンアンプが非力なコンピューターやポータブル・プレイヤーなどに繋いで聴くには向かないかもしれないね。
僕はDangerous Musicをモニターに使用していて、Prism SoundのコンバーターかDigidesign 192を通ったデジタル信号をDangerous Musicにアナログで入れるんだ。凄くいいよ。

 

SRH940はクローズドタイプですが、オープンに近いサウンドを目指して設計されています。ですから、ミックス用ヘッドホンとして充分に使えると思ってます。その他のモデルはやはりスタジオの定番機を意識してましたね。2012年には、SRH1440、SRH1840、2機種のオープン・タイプのヘッドホンが発売されます。私が試聴したところでは、SRH1840が明瞭度と定位の良さでSRH940よりも勝っている印象を受けましたよ。

そりゃ是非とも聴いてみたい! 
どのマーケットをターゲットにそれらのモデルを作ったんだろうね? 
Hi-Fiマーケット?

 

ハイエンド・オーディオとマスタリング/ミックスのマーケットがターゲットです。クローズド・タイプは基本的にトラッキング用で、SRH940のみミックス/マスタリング対応モデルという位置付けでした。SRH1440とSRH 1840は完全なオープン・タイプなのでトラッキングには使用できませんね。

僕は音楽を聴く時だけでなく、ミックスのチェック時にも良いヘッドホンを使うよ。スピーカーだと時々聴きづらい時もあるからね。あと簡単に左右を入れ替えることが出来るのも重要な機能だよ。長年ドラムを叩いてきたんで、左右のレベルバランスが少しズレているんだ。もちろん、脳はそれを補正してくれるけれど、ヘッドホンの左右を入れ替えると凄く助かる時がある。スピーカーではこれが出来ないからね。
ただ、ミックスはヘッドホンではやらないよ。出来ないこともないけれど、不思議なものでボリュームの感覚がおかしくなって、ダイナミクスに欠けるミックスになる。高域や低域や定位の確認には最高だけどね。

TOTO:Simon Phillipsサイモン・フィリップス × SHURE Microphones #6

2011年9月のTOTOツアーに続き、12月にもジャズ・ピアニスト上原ひろみさんのツアーで来日したサイモン・フィリップス。TOTOツアー後には、前回のインタビューで紹介したBETA 181とSRH940をスタジオでチェック。今回はそのインプレッションを伺って来ました。

 

SE215? これは最近出たイヤホンだね?
普段はインイヤーのイヤホンは使わないんだけど、TOTOのようにライブでトラックを流しながら演奏する時には使うよ。一般的なインイヤーを使ったり、Sensaphonicsのようにカスタムも作ってもらった物も持ってるけど、使いにくかった。装着するのに時間かかるし、外すのにも時間かかる。着けて1曲演奏して、すぐに外して次の曲を演奏するなんて出来ないからね。こうのタイプは脱着が早くて良いね。

 

去年発売されたモデルで、SEシリーズの中で唯一のダイナミック・トランスデューサーを採用したモデルです。Shureの他のモデルは全てバランスド・アーマチュア方式を採用しているので、スピーカーのようなダイナミクスとはちょっと違う感じに聴こえるかも知れません。

一方で、このSE215はシングル・スピーカー構造なので、高域は少し荒いし伸びないけど、ダイナミクスと存在感があって、スタジオ・モニターを聞き慣れている人にはモッテコイだと思ってます。ラインナップの中で一番安いモデルですけどね…。
あと、このイヤーフォームは温度で膨張するので、耳の中に入れると形状が変化して完全にフィットしてくれるんです。

これは良いね!

確かに高域は少し弱いけど自然なカーブだし&凄く良い。
ダイナミクスと存在感があって、スタジオ・モニターを聞き慣れている人にはモッテコイなんじゃないかな。パンチもある。

とかく、インイヤーのイヤフォンは音が小さいことが多いけど、これは他と比べて音も大きいね。ライブなど演奏する時に使うのに最適じゃないかな。今度から使ってみるよ。

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