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Audientのホームスタジオ向けオーディオインターフェイス「iDmkⅡ」シリーズは、本当にAudientのビックコンソールと同じマイクプリアンプを搭載しているのか?

  • 2021年9月24日
  • audient
Audientのホームスタジオ向けオーディオインターフェイス「iDmkⅡ」シリーズは、本当にAudientのビックコンソールと同じマイクプリアンプを搭載しているのか?
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Audientのホームスタジオ向けオーディオインターフェイスとして様々な賞を受賞しているiDmkⅡシリーズ。下位モデルのiD4mkⅡが2022 NAMM TEC賞ではマイクプリアンプ部門にノミネートされるなど、そのマイクプリアンプには定評があります。

そして、そのポイントとして挙げられるのが、プロ向けの大型スタジオに導入されるAudientのレコーディング・コンソールに搭載されているものと、同設計のマイクプリアンプが採用されている…というもの。様々なメディアでも同様のポイントが取り上げられており、iDシリーズのサウンドについては、常に高い評価を得ています。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか? まさか、このリーズナブルな価格帯のシリーズにプロ用レコーディング・コンソールと同じマイクプリアンプ設計が採用されるなんて、あり得ない!と疑ってしまう方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回はその真相に迫るべく、Audient社でR&Dを務めるスティーブ・フラワー氏に、話を聞いてみました。


Audient社R&D担当:スティーブ・フラワー氏

Steve:はい。Audient製コンソール用マイクプリアンプは、同社製品に搭載されているマイクプリアンプのすべてに共通して実装されていて、最大の特長である低ノイズ/低歪みのコンポーネントを誇るディスクリートトランジスタとオペアンプによるハイブリッド・トポロジーで構成されています。

Steve:しかし、もたらされるゲインレンジと、サーキットが動作する供給電圧によって、抵抗およびコンデンサの値にわずかな違いが発生します。

Steve:特にUSBバス駆動の製品では、コンソール製品よりもアナログパワー容量が低いので、いくつかのコンポーネントを変更しなければ、不安定になりノイズフロアが高くなってしまいます。ですから、必然的にいくつかの変更を加える必要があるわけです。

Steve:さらに、いくつかのマイクプリアンプについては、入力から出力まで完璧なバランス信号経路を採用しています。その具体的な効用としては、バランス回路でADCに信号入力する際、6dBエクストラレンジを稼ぐことができます。コンソールのチャンネル・ストリップでは、信号パスがアンバランスなため、この手法は使っていません。また、USBバス駆動の新しいiDmkⅡシリーズでは、オペアンプの出力に電流ソースを追加して歪みを低減させています。

Steve:少し言い換える必要があるかもしれませんね。

Steve:つまり、私たちのiD製品には、バス駆動でのベストなサウンドになるように改良されたAudientコンソールマイクプリが採用されているというのが適切かもしれません。

Steve:コンソール用マイクプリアンプの設計を元に、製品に合わせてそれぞれ最良のサウンドが得られるように調整されている、ということですね。オーディオインターフェイスはアナログ信号がADされてDAWで扱うところがその辺のベースにもあります。

Steve:そのサウンドがプロ仕様と遜色ないレベルにまで精錬されている事実に間違いありません。


以下に紹介するAudient による動画は、Audientのレコーディング・コンソール「ASP8024-HE」から「iD4」までのサウンドを同じ条件下でレコーディングしたサンプルです。

The Audient Mic Pre Experiment – Can you hear the difference?

Audient創設者:サイモン・ブラックウッド氏
Audient創設者:サイモン・ブラックウッド氏

Audientでは、フラッグシップのレコーディング・コンソールから、最も小さいオーディオインターフェイスまで、同レベルの回路設計によるマイクプリと高性能なコンバーターで、高いレベルの音質を追求していることがお分かり頂けたと思います。 是非注意深く聴いてみて下さい。